藤井聡太六段、七段昇格の条件②

【七段への昇格条件 2.竜王戦1組昇級とは】

ここでは、六段から七段に昇格するための以下7つの条件

1.竜王挑戦
2.竜王戦1組昇級
3.六段昇段後竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝
4.順位戦B級1組昇級
5.タイトル1期獲得
6.六段昇段後全棋士参加棋戦優勝
7.六段昇段後公式戦150勝

の二つ目の条件である、「竜王戦1組昇級」について解説します。

竜王戦の予選にあたる「竜王ランキング戦」は6つの組に分かれて行われます。上位(強い順)から1組・2組・3組・4組・5組・6組です。

 

【竜王ランキング戦から決勝トーナメントへ出場する場合】

竜王戦の予選にあたる「竜王ランキング戦」は6つの組に分かれて行われます。

上位(強い順)から1組・2組・3組・4組・5組・6組です。

この竜王ランキング戦に勝ち残った11名が「決勝トーナメント」に進むことができます。決勝トーナメントに勝ち進むことができる人数は組によって決まっています。

<3~6組>
それぞれの組で優勝した1名(つまり全部で4名)が決勝トーナメントに出場できます。

<2組>
2組で決勝に進出した2名が決勝トーナメントに出場できます。

<1組>
1組では決勝に進出した2名の他に、決勝に進出できなかった棋士で決勝トーナメント出場者決定戦を行い、その上位3名も決勝トーナメントに出場できます。なので1組からは5名が決勝トーナメントに出場できます。

つまり、1組から5名、2組から2名、3~6組から各1名の4名、合計で11名が決勝トーナメントに出場できる、ということです。

【竜王ランキング戦の昇級者決定戦で昇級する場合】

一方、決勝トーナメントに進むこととは別に、上の組に昇級できる条件があります。

それぞれの組からひとつ上の級へ昇級するための条件は、6級から2級までは同じです。昇級できる人数は各組とも4名で、そのうちの2名は、各組で決勝に進出した2名です。

残りの2名は、各組で決勝に進出できなかった棋士が2班に分かれて行う「昇級者決定戦」で、それぞれの班で優勝した2名です。

1級はその上の級がないので昇級はありません。先に書いたとおり、上位5名は決勝トーナメントに進出できます。

6級から5級へ、5級から4級へ、のように、上の組への昇級は一段ずつしか上がることができません。

ということは、6級から1級に昇級するまでには5年はかかるということです。

藤井聡太六段、七段昇格の条件①

あっという間に四段から六段に昇格した藤井聡太棋士。

私の予測では、四段から五段に最も早く昇格できたとして2018年の3月、でした。

ところが、なんと驚くことにその前月2月1日には早々と名人戦順位戦で9連勝しC級2組から1組への昇級が決まったことにより五段昇段が確定。

そして、同じ2月の17日には、全棋士が参加する「朝日杯将棋オープン戦」で優勝したため、五段になってからわずか16日後には六段に昇段。

藤井聡太棋士、凄すぎです!

【六段から七段への昇格条件】

では、ここからは六段から七段に昇格するための条件を調べた結果をお伝えしたいと思います。

七段昇格の条件には以下の7つがあります。

1.竜王挑戦
2.竜王戦1組昇級
3.六段昇段後竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝
4.順位戦B級1組昇級
5.タイトル1期獲得
6.六段昇段後全棋士参加棋戦優勝
7.六段昇段後公式戦150勝

これらのうちどれかひとつでも達成すれば七段に昇格できます。

【七段への昇格条件1.竜王挑戦とは】

七段への昇格条件その1である竜王挑戦について説明するためには、竜王戦についての前提知識が必要です。まずは竜王戦の仕組みについて解説するので、少々お付き合い下さい。すでに知っている人は読み飛ばして下さいね。

【竜王戦の仕組み】

竜王戦は8つのタイトル戦のうちのひとつで、読売新聞社が主催しています。全プロ棋士全員が参加しなければいけない棋戦です。

優勝賞金は約4320万円です。

毎年12月に始まり、翌12月までの1年をかけて、竜王が決定するまで長い道のりのタイトル戦です。

1年のうち12月から6月までが「ランキング戦」と言われるいわゆる予選の期間です。

「ランキング戦」は、出場棋士を1組から6組の6つのランクに分けて開催されます。最上位ランクが1組で以下2組~6組の順です。

プロ棋士になると最初は6組からスタートです。そして、各組のランキング戦において決勝まで勝ち進んだ2名が上の組へ昇級できます。また決勝に進めなくても、その後に開催される昇級者決定戦(敗者復活戦のようなもの)で各組上位2名になった棋士もひとつ上の組へ昇級できます。

 

 

このランキング戦に勝ち残った棋士11人が次の「決勝トーナメント」に進むことができます。

そして、7月から9月にかけて決勝トーナメントを戦い、11人のうち優勝した一人がやっと前年度の竜王に挑戦することができます。

つまり、「竜王挑戦」とは、「ランキング戦」で勝ち残り、「決勝トーナメント」で優勝することをいいます。

藤井総太四段の「竜王戦」過去の戦績と今後の対局予定【一覧表】

■タイトル保持者
渡辺明竜王(1984年4月23日生まれ、東京都葛飾区出身)
※竜王の他に棋王タイトル保持者でもあります。

対戦年月日 第30期竜王戦 対戦相手 勝敗
2016/12/24 ランキング戦6組 加藤一二三九段
2017/2/9 ランキング戦6組 浦野真彦八段
2017/3/16 ランキング戦6組 所司和晴七段
2017/4/13 ランキング戦6組 星野良生四段
2017/5/1 ランキング戦6組 金井恒太六段
2017/5/25 ランキング戦6組決勝 近藤誠也五段
2017/6/26 決勝トーナメント1回戦 増田康宏四段
2017/7/2 決勝トーナメント2回戦 佐々木勇気五段

日本将棋連盟の「竜王戦」サイトでは他の棋士の情報など、より詳細な情報が掲載されています。
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